琉球の漆器は、海外交易の盛んな十四世紀〜十五世紀のころから始まり、その技術、芸術性が高く評価され、献上品としてまた貿易品として最も喜ばれた品物のひとつである。技術的にも芸術的にもさらに水準の高い工芸品を生みだし、なかでも立体的な浮彫表現の「堆錦」技法は、中国の堆朱の技法からヒントを得て、沖縄独特の加飾法とし考案されたもので、他では見られない深い味わいを持っております。
この堆錦(ついきん)に見られるように、独自の加飾法をも生み出し、そのほかに、螺鈿(らでん)、沈金(ちんきん)、蒔絵(まきえ)など琉球漆器の伝統は朱塗りと黒塗りのコントラストの大胆さ、斬新さとあいまって、その鮮明さ、華麗さは、多くの人に親しまれています。
四方を海に囲まれた沖縄の歴史は、周辺の大国のはざまで大きく揺れ動いてきた小国の歴史です。俗に、中国皇帝が琉球国中山王を任命して、冊封制度が行われていた大交易時代琉球王国は、明治の廃藩置県により沖縄県となって、そして第二次世界大戦後、アメリカの施政下に置かれた二十七年間、押し寄せる大国の圧力を受けながら復帰後は、豊かな自然と独自の歴史と工芸、芸能、文化を持つ、海洋県として新たな道を歩んでいます。